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友がみな我よりえらく見える日は/上原隆 [書籍]

昨夜突然振り出した雨に打たれたからだろうか、風邪をひいてしまったらしい。
食欲が全く無くなってしまったが最近無駄な脂肪がカラダの色んな場所で盛んに
アピールしてきていたのでちょうど良い。とりあえずビタミン剤だけ飲んどこー

友がみな我よりえらく見える日は

友がみな我よりえらく見える日は

  • 作者: 上原 隆
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 1999/12
  • メディア: 文庫

ホームレス同然の生活を続け妻子からも捨てられた芥川賞作家、アパートの五階から墜落し両目を失明した市役所職員、その容貌ゆえに四十五年間、一度も男性とつきあったことのない独身OL…人は劣等感にさいなまれ深く傷ついたとき、どのように自尊心をとりもどすのか。読むとなぜか心が軽くあたたかになる、新しいタイプのノンフィクション。

上原隆の本は三冊持っている。
『友がみな我よりえらく見える日は』、『喜びは悲しみのあとに』、『雨にぬれても』―
作者自身が様々な問題を抱えた人々を取材しまとめたコラム・ノンフィクションである。

『友がみな~』は三冊の中で一番最初に書かれた本で作者はテーマをこう語る。
「つらいことや悲しいことがあり、自分を道端にころがっている小石のように感じる時、
人は自分をどのように支えるのか?」。さらに取材を続け「つらい場面の描写だけではなく、
それを乗り越えた瞬間にパッと輝く喜びの表情を記録した」のが『喜びは~』である。

ノンフィクションはあまり好きではないのだが上原隆のこのシリーズは全て揃えてしまった。
現代社会を生きる普通の人達のエピソードを読んでいるとなぜか救われたような気持ちに
なった。どれも物語が完結せずに、今彼らはどうしているだろうかと想像を膨らませてしまう。

『友がみな~』の中の「うつ病」では看護士を目指して学校に通う男性の話が描かれている。
大学受験に失敗した彼は人の心と体を癒す職業として看護士を選び、その理想の職業への
道を歩み始めるのだが実習の緊張や患者への対応の悩みから激しい動悸に襲われる。
やがて学校には行けなくなり精神科でカウンセリングを受け一年留年し、二年目も何とか
一生懸命通うものの秋にはうつ状態におちいってしまう。

「自分の意思や努力ではどうにもならない苛酷なことってある。」

彼は数多い挫折の中で自分への期待を小さくし、着実に実現できる小さな期待だけを
自分にかけることを経験からつかんだ。ただ何度挫折、失敗しようと”こうありたい”という
気持ちを持ち続けることは出来る。そして現在福祉施設の指導員として働いている。

「ぼくが看護から挫折したこと、これを切り捨てるのではなく、ぼくの大切な経験として、
ぼくの底流としてこだわり続けたい。この経験がなかったらぼくがぼくでなくなるからだ」

なるほどねー。


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コメント 2

白烏麗子

トシとは反対の考え方ですね、おーほっほっほ。
by 白烏麗子 (2005-05-25 20:35) 

kasokage

「うつ病」の彼の考え方に達するには時間も必要。トシも最終的には過去のあの時代を経験したからこそ、(トシの言う)本当の歌う喜びに出会えたのだと思えるかも。もしかして50歳を過ぎてXjapan再結成とか!(見たくありません)
by kasokage (2005-05-26 00:49) 

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